明日を翔ける〜天翔〜




……初めて見る。


明日翔が、拳を振るう姿。

長い足を繰り出す姿。


守るために戦ってくれる姿に惚れ直すとか、そんな漫画じみたことなんて、まったく頭によぎらない。


ただ、ただ、悲しくて。

無力な自分が悔しい。


明日翔が殴られる度、私の心が悲鳴を上げる。


「明日翔、一緒に帰ろう。」


ごく小さい言葉でいったはずだった。


「幕だ。」


無表情だった明日翔の顔に、うっすら笑みが浮かんだ気がしたんだ。


そう言った明日翔は、ふらふらになった真白に最後の一発を食らわせた。


「…きみ、わるいなぁ、キミら。」


そう言って真白はばたりと崩れ倒れた。