明日を翔ける〜天翔〜



急いで向かった先のコンビニは、ものの抜け殻だった。


「おい、携帯はここにあるんだよな。」

「そうみたいだけど…」

拉致られたのは明確だ。


「……あのっ、蒼井明日翔さん、ですか。」


震えた女の声に明日翔は振り向いた。

小柄な大学生くらいの女だった。

ここじゃ、と店の奥に連れられると、雪は店長にかけあって、防犯カメラの動画を確認していた。


「長い黒髪で中川高校の制服を着た子をご存知ですか…」

「おい、みたのか!」

きっと、ゆかりだ。

「あなたに、私は大丈夫だと伝えてと言われました。

そのこ、店をでてすぐに黒い車に乗せられてしまってーーー。
金髪の女の子に、あの子のためにも警察に言うなと。

…だから、あなたにこれを。」


明日翔は見覚えのあるデザインのスマートフォンを奪うように受け取ると、すぐに中身を確認した。