明日を翔ける〜天翔〜



ちらり、と由衣夏さんを見ると、所在無さげにソファに座っていて、なんだか切ない。


…明日翔とられてたらそれで嫌なのに、何考えてるんだろ。


(複雑な立場だ…。)


「…ゆかり、そこそこしただろこれ。」


ゴソゴソと箱を開けた明日翔は、チョコレートと分けて添えられたそれに、呆れたようにため息をはいた。


「制服にいつもタイピンしてるから、いいと思って。
私の好きな色なんだ。」


小さなアメジストがはめ込まれたタイピン。

そんなにたかいものでもないし。

私の誕生日は2月。誕生石はアメジスト。

「さんきゅ。」

そういって柔らかく笑った明日翔の笑顔に、私の顔は朱に染まったのだった。