それから私は、明日翔と一緒にフロアを回った。
「あ、ああ、明日翔…あれ、ケンカ?」
「あ?…ただの腕比べだ。」
なんでもないことのように言う明日翔だけど、とてもそんな風には見えない。
…鈍い音が響いてるんですけど!
新年早々なにやってんだ(止めない)
しばらくやりあった後、本気でやばそうな雰囲気を醸し出す彼らに、明日翔は呆れたように一言つぶやいた。
「…バカめ。」
「調子乗りすぎかな?」
どこからともなくあらわれた雪ちゃんはにこにことそう言うと、金髪頭と緑頭の首根っこをつかんで……。
明日翔によって塞がれた両目は血に汚されることはなかったけれども。
笑えない鈍い音は、きっちりと耳に焼き付いた。
…バカだ。本物のバカなんだ…!
「「さーせん…」」
「わかればいいよ?」
傷だらけでうなだれる金髪男と緑頭ににこにこと去って行った雪ちゃん。
私は顔面に笑顔を貼り付けて、がくぶると彼らを見つめていたのだった。
ひとつわかったこと。
不良ドラマがいかに甘っちょろいか。


