明日を翔ける〜天翔〜



優しい彼方さんの言葉に、私は観念したように微笑んだ。


「それは嫌ですね、たいしたことじゃないのに。」


ははは、と笑ってみるけど思ったよりうまく笑えなかった。


「私、自分は強いって思ってました。
両親をなくしても、まっすぐ生きてきた自信もあったし。

でも最近、いろんな人と関わって私思ったんですよね、弱いなって。」


自分を守る強さはあっても、他人を守る強さは私にはない。


ここに来て、私はそう思うようになった。

そんなことかぁ、とぼやいで口を開いた彼方さんはとても真剣な瞳をしていた。


「……ゆかりは強いよ。
弱さと向き合える子は、強い。

自分をよく理解してるからね。

そういう子を、あいつらは選んでここにいれた。

ゆかりちゃんの弱いとこも強いとこもひっくるめて、明日翔はゆかりに惚れたんだよ。」


胸が、軽くなった気がした。


「ゆかりを否定する奴がいたら、さっきみたいに毅然と羽返せばいい。

心に溜まった不安は、しっかり吐き出して、ね。」


あっくんに言えないことがあれば俺に言うといいよ、と言って彼方さんはニコリと笑った。