「美味しそうやねぇ」
途中で百合との近況報告をしてきたよっちゃん君も引き連れて、作ったぜんざいを散り散りになってよそっていた。
そんなとき横からぬっとあらわれた彼に、私は目をパチクリと瞬かせた。
…この人は確か。
日向総長のーーーえーと…。
「天津真白や。真白でええよ、姫さん。」
そうだ、真白だ、真白。
「一杯、どうです?」
鍋一杯のぜんざいは作っても作っても足りなくて、やっと落ち着いてきたところなのだ。
「…ほな、頂きますわ。」
そういった真白を一瞥すると、私は寸胴鍋から甘い液体を碗に注ぎ込む。
…気味の悪いピアス。
サラサラとした黒髪から垣間みえた、耳に絡みつくような蛇がモチーフのピアスに、私はそんなことを思った。


