挨拶やらなんやらで忙しそうなお偉いさん達のそばを抜けて、私は三鷹君のところへ向かった。
「つまらん、私もそれやる。」
ぶすったれた顔できぬを受け取ると、苦笑いの三鷹君は私の下から上まで不躾に見た。
「なに。」
「そんな細い体でできるの?」
…バカにしたわね三鷹君。
そんな言葉ににこーっと笑った私は手に持ったそれを振り上げた。
「餅つきくらい、小さな子供でもやるのよ?知ってる?」
三鷹君とのナイスコンビネーションで餅を突き上げた私は、変な達成感に満たされた。
いつの間にかきぬを振るう私を取り囲むように集まった下っ端君たちの拍手に、私は声を立てて笑った。
バカみたいに本気になって、バカみたいに笑う。
そんなことができるこの場所が、今の私の居場所だと、
明日翔はそんな場所を私にくれたのだと、実感する。
「野郎の作ったぜんざいなんか食うか!
ゆかりさーん!作ってくださいよ!」
色とりどりの頭をした男たちに気圧された私は、嫌がる三鷹君を無理矢理連れてキッチンへ向かったのだった。


