明日を翔ける〜天翔〜




明日翔も袴なのか、かすかにノリの効いた布の香りがした。


背中で威嚇をする明日翔そっちのけでまじまじと困ったように笑っている目の前の男を観察していると、私はひらめいた。


「明日翔にそっくりなんだ。」


髪の色や、顔に浮かべる表情があまりにも違ったから気づかなかったけど。


瓜二つである。


「明日翔の兄、天翔初代副長の蒼井彼方。よろしくね、ゆかり。」


そういって爽やかに握手の腕を伸ばした彼方さんのそれは明日翔によってはたかれてしまったが。


前に明日翔のテンションは恵美さん(明日翔ママ)に吸い取られたと思ったけど


「俺今フリーだから、あっくんに飽きたらいつでもおいで。」


「あー、明日翔で手一杯なんで結構です。」


この男にとっていかれたのかもしれない、と本気で思った。


まともそうな人が光さんしかいない。


こうも個性的というか、自由というか…。


「ほら、立ち話もなんだし。」


そういってニコニコするハルさんがまともに見えてくるくらいである。