「父親がいないせいか、明日翔は早い時期からグレてた。
髪も昔は金髪だったんだよ?
それが宗一郎さんにあって変わったんだ。
前に比べてよく話すようになったし、髪を黒く染め直したのを見た時は吃驚したよ。」
そういってくすくす笑う雪ちゃんに、私は首を傾げた。
「雪ちゃんは、家の人に反対されなかったの?」
家元の家ならなおさら、暴走族なんて。
「されたよ、それはもう大反対。
人を殴るその手で茶を立てるのかってね。その通りだ。
だから、3年の猶予をもらった。
高校でたら覚悟決めるから。ってね。」
そんな雪ちゃんが天下の天翔の副長だなんて、改めて信じがたい。
人を殴る手、か…。
今だに見たことのないその瞬間を、確かに彼らは積み重ねてきた。


