「俺が明日翔の幼馴染なの知ってる?」


「聞いたことある。」


2人はいつも一緒にいるわけでもないし、タイプは正反対だけどどこか通じ合ってるような、そんな雰囲気を醸し出してる。


「俺の家、家元なんだ。」


「……。まぁ、振袖の着付けができるくらいだもんね。」


手際良く振袖をきつけていく雪ちゃんにうんうんと頷くと、彼はニコニコと笑った。


「子供の頃から厳しくてさ。
昔から無口な方だった明日翔はなにをするでもなく、一緒にいてくれたんだ。

友達は明日翔だけだった。

そんななか俺をこの世界につれてきたのも、明日翔なんだ。」


突然語り出した雪ちゃんに、私は黙って耳を傾けた。