相当驚いたのか、目を丸くする明日翔に私の口から笑い声がこぼれる。
「仕返しだ。」
いつもいつも不意打ちをつかされて惑わされるのは私。
「もう一回、ゆかりから。」
自分の唇をトントン、と叩いて言う明日翔はきっと確信犯だ。
悔しくなった私は、明日翔の頬を包み込んで自分の唇を明日翔のそれに重ねたーーー。
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「なに、これ。」
しばらくほのぼのと時間を過ごしていると、いつの間にか腕にあらわれた細くキラキラ光るもの。
やっと気づいたか、と言わんばかりの顔に、ねてる間につけてくれてたのだと知った。
「耳は天翔、首は家族。
…指は将来俺がもらうから、今は腕だ。」
…なんて甘い男なのだろうか。
こんな冷たい瞳を持つ男から、こんなに甘い言葉が飛び出すなんてだれが想像つくだろう。
「ありがとう…」
それがこんなに嬉しいんだから、もうどうしょうもない。
こんなに幸せでいいんだろうか。
少し不安になるくらい幸せな、そんな朝だった。


