明日を翔ける〜天翔〜



…くすぐったい。


髪に触れる手が明日翔のものだと認識するのには、そんなに時間はかからなかった。


「起きたのか。」


もぞもぞと動いた私に気づいたのか、そういう明日翔に私はすり寄った。

…あったかい。


比べる相手なんていないけど、明日翔の胸がよく鍛えた男らしいものであることはなんとなく分かった。


なんとなく甘えたい気分だった。


「はぁ。お前は本当に…。」


掠れた声で言葉を切った明日翔は、私をそっと抱きしめた。



「俺じゃなかったら朝から食われてるぞ。」



笑えない冗談に身を固くすると、明日翔はくすくす笑った。