「…女はずるいな。」 玄関でヒールを履くと、その様子をじっとみていた明日翔はそういった。 「明日翔にはもう必要ないでしょ。」 「…まぁな。」 たわいもない話をしながら連れられるままにお店に入ると、そこはまさしく私が求めていたカツがあった。 「美味しい。」 パクパクとカツ定食を食べる前からじーっと感じる視線。 もちろん明日翔のものである。 「ナンデスカ。」 「細いのに、よく食うな。」 「バカにしてる?」 「いや…褒めてる。」 そう言って自分の大盛りのカツ丼定食に箸をつけたのだった。