「そういえば、これ。
明日翔がもってて。」


明日翔はどう頼んでも手紙の内容を教えてくれなかった。


お父さんはどうやってあの笑顔をさせたのか、すごく気になったのに。


そんなことをぶーぶー考えながら、私は首にかけたネックレスから、大きい方の指輪を外した。


「……これは。」


受け取って指輪の内側をみた明日翔は、目を見開いた。

Soichiro Yuri 1995.11.15

そう刻み込まれたモノ。


「明日翔がもってて、ううん。
もってて欲しいんだ。」