「俺、大学出て立派になる前にゆかりと会って、しかも危険に引きずりこんだんだ。 宗一郎さん、怒ってるだろうな。」 その言葉に、私は思わず吹き出した。 「私が自分から行ったところもあるから、私にも腹を立てていると思うわ。」 ごめんねお父さん、私はこの人から離れられそうにもないの。 「絶対守るから。 俺の隣にいろよ。」 耳元で聞こえる低く響く甘い声に、私はこくりと頷いた。