「じゃあ、ハルさん、私定時なんで帰りますねー。」

まだまだがやがややっていそうな雰囲気の中、10時を示す鐘がなると同時に私はそう切り出した。


「えぇ、この片付け俺にやらすき?」

大量的な空き皿をみて、ハルさんはイヤイヤ、と首を振った。


「俺らがやりますよー!」

「君らに任せたら皿わるじゃない。」


三鷹君が手を上げて申し出ると、ハルさんにニコニコとそれを一刀両断した。


…前科があるんだろうな。

しゅんとした三鷹君一派に笑いを堪えていると、ハルさんはキラキラとした目で言った。


「延長料金は払うから、ね?」


その言葉に仕方がなく頷いた私は、疲れて眠そうにする明日翔の腕からするりと抜け出したのだった。