「これかぶっとけ。」
レーサーとかがかぶっているのをよく見る、かっこいい方のヘルメットだ。
これもまた真っ青で、一目で明日翔のものだとわかる。
ーーーデカイ。
かぶってみると、大きすぎて変な感じだ。
「…私にこれを貸すなら全力で安全運転してね。」
悪いよ、なんて言うつもりはない。
危ないのはイヤだし、どうせ断っても無理やりかぶせるのがこの男である。
「了解。」
そういってバイクにまたがったノーヘル明日翔の後ろによじ登って、落ちないようにギュッとつかまった。
「離すなよ?」
その声を最後に、バイクは意外にも静かに走り出した。
…結局どこに行くんだろう。
冷たい風の中広い背中に抱きついて、終始そんなことを考えたのだった。


