…っ


意外と顔が近いっ!


恥ずかしくなってそっと明日翔の肩口に頬をくっつけると、明日翔はくつくつ笑った。


顔は見えないけど、今なら鋭い目も幾分か柔らかくなってるに違いない。



ーーこの男が自然に笑ったとしたら



心臓一個軽くもってかれそうだ。


そんなことを考えていると、また私をきゅっと抱きしめてこう言った。

「意外と…甘えたがりだよな。」

「!?!?」

さっき資料室でも寄りかかってきたし…と続けた明日翔の足を

「…ってぇ、ガキか!」

「うるさい!」

踏んづけたのは言うまでもない。


そうしても離さない腕の中の私に、明日翔が小さく笑ったのには気づかなかった。