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「じゃあ、藤澤。頼んだぞ」


「はい。わかりました」


「三年は向こうで揉まれて来い。帰ってくる頃には、いいエンジニアになってるだろうな」


「どうでしょう。弱音を吐いて帰ってくるかも知れません」


「ははっ。そんなことさせないから、心おきなく行ってこい」




部長はにっこり笑って、俺の肩を叩いた。

そこには、期待と信頼が重くのしかかる。

やけに重いな。




「頼んだぞ、藤澤。今この案件を任せられるのは、お前だけだからな」


「はい。一人でどこまで出来るか、試してみたいと思います」




頑張れよ、と小さく声をかけて部長がミーティングルームを出て行く。

その背中を小さな礼で見送った。

この部屋はブラインドが下ろされているので、外からは部屋の中が見えない。



大きな窓からは、雲一つない綺麗な青空が広がっている。

その空とは真逆の、まるで土砂降りのような気持ちでため息をついた。