「本当、なんなの……」 立ち上がって、辺りを見渡した。 あたしの気がおかしくなったの? 「ん」 そのとき、足に柔らかい何かが当たった。 下を見ると、そこには白いうさぎのぬいぐるみが落ちている。 耳が垂れていて、長い。 手先と耳の先にかけて、少し濃いピンクになっている。 グラデーションになっていて、とても綺麗だ。 「って、これもあたし持ってないよ……」 そのぬいぐるみを拾い上げて、まじまじと見つめた。 ん? なんか、温かいな……。