移動中に千夏に会った。



さっきも一緒に番組出演してたけど、全く話さなかった。



「この前の事…。本気だからね…。」

「だから諦めてもらわなきゃ困るって…。今は大事な人がいるから。」

「だったらぶち壊すだけだよ…。」

「えっ!?」

「バラしてやるもん。彼女に。」



俺の横を通り過ぎようとしてる千夏の腕をとっさに掴んだ。



泣きそうな千夏に心が揺れた…。



何でこんな気持ちに…。



「言わないで。」

「だったらもう1回やり直して…。」

「それは…。ごめん。」

「じゃあもう答えは出たね。」



そう言って俺の腕を振り払った。



それだけはダメ…。



莉里に嫌われたくない…。



「隼人、行くぞ!!」

「ちょっと…。ごめん!!先に行って!!」



走って千夏を追い掛けた。



莉里がいなきゃ俺は…。