なるべくウソはつきたくないから、あたしはだまっていることにした。



そして、不意にワッと周りがもりあがった。



何ごとかと思ったら……もうすぐ100メートル走がはじまろうとしていて。



「……っ、どうなるんだろう」



あたしの脳内にさっきの都築くんの言葉がよみがえる。



───俺が勝ったらつき合うんだからな。



ひゃああぁ、もうなにがなんだかわかならなくなってきそう……!



ほっぺをパンパン、とたたいて自分を落ちつけようとする。