っていうか、都築くんが手伝えって言わないのが驚き。



あたし、彼いわく召使いなのに。



もしかして都築くんって、意外とやさし……。



「うん、いーの。……澤上さんのこと、あとでたっぷりいじめるから」



……ん?



あ……前言撤回。



やっぱり、都築くんは都築くんでした。



「うぅ……はい、待ってます」



これからいったい、どんな意地悪な命令をされるやら……。



恐怖に身悶えていると、都築くんがポン、とあたしの頭に手を置いた。



「うん、従順でいい召使いだね」



都築くんは、フッとえらそうに笑った。



もうこれ、絶対に王子様じゃなくて王様だよっ!!