博士と秘書のやさしい恋の始め方

「山下さん。ひょっとして駿ママと田中先生のこと誤解してたの?」

「えっ、あのっ……」

「あー、おおかた喫煙室あたりで仲良く話してるのを見ちゃったとか?」

「ええっ」

「まあねぇ、田中先生が親しく話す女性ってそういないものねぇ。無理ないかぁ」

「うぅ……」

どうして三角さんにはなんでもわかってしまうのだろう。いちいち図星。まるっとお見通しなのだから。

「最近様子がおかしかったのはそのせい?」

「えっ……」

やっぱり私の態度がおかしいのバレバレだったんだっ……。

「大丈夫。ほかの人たちは変に思っていないから」

「そ、そうですか」

「田中先生もなんだか戸惑っているみたいだったし。どうしたのかなぁって気になっていたのよ」

「すみません……」

あーあもう、本当に恥ずかしすぎる。

私、田中先生が沖野先生の不倫相手だってすっかり思い込んで。

この前なんて、グエンさんの「フリンはどこにありますか?」なんてトンチンカンな質問にまで過剰反応しちゃうし……。

けど、本当によかった。

先生、人妻さんと付き合ったりしていなかったんだ。

「あらー。山下さん、田中クンに惚れてんの?」

「ええっ」

沖野先生、なんというダイレクトな言い方をっ……。

「そうだ、いいこと思いついた。誤解させちゃったお詫びに、お姉さんがひと肌ぬいであげる」

「へ?」

そうして沖野先生に言われるままアドレス交換をすると、すぐさま一通のメールが届いた。