『なんでこんなとこに連れてきたの?』
怒られるのは嫌だけど、これ以上遅くなったらもっと怒られるじゃん。
もう行かないと!
『私、もう教室行くね!』
そう言って部屋を出た。
いや、正式には出ようとした。
しかし、
『おい待てよ』
手を引っ張られたから出れなかった。
『なに?』
早く行かなきゃいけないのに!
『俺お前のこと気に入ったわ』
はぁ?なに言ってるのこいつ。
『俺の女になれよ』
ますますわけがわからない。
『いやです!』
なんで会ったばかりの男と付き合わないといけないのよ!
『へぇ、俺の告白断るんだ?』
告白っていうか、命令でしょあれ。
『はい、すみませんけど』
丁寧に断る私、なんて大人なんだろう…
『さっき言ったよな?
俺は俺のやりたいようにするって』
確かに言ったけど…
まさか勝手に彼女にされるの⁉︎
『か、彼女になんてなりませんから!』
『さすがに無理矢理付き合ったりはしねぇよ』
はぁ、良かった。
『でもな、絶対ぇ俺のこと好きにさせるからな』
いやいや、無理ですから。
てゆーか早く教室行かせてよ!
『あの…手離してくれます?』
すると彼はハッとして、
『ああっ、悪りい悪りい』
やっと教室に行ける…
あれ?まだ手離れてないけど…
『俺のこと陸って呼ぶなら離してやる』
はい?
『ほら、ゆってみ?』
いやいやいや、言わないから。
『言うわけないじゃん』
するとそいつはいきなり腕をひっぱって私はそいつの腕の中に。
『ちょっと!』
もがいたものの、男子の力に勝てるはずもなく。
『呼ぶまで離さないよ?』
くっ、なんてやつ…
『り、陸…』
すると奴は満足そうに、
『よくできましたぁ』
なんて言いながら拍手している。
もちろん約束通り私を離して。
『頑張った風香には、ご褒美のチューかな?』
いらないしっ!
『そんなのいらないから!
てゆーか風香って勝手に呼ばないで!』
『いーじゃん、俺の勝手だろ』
『うるさいっ!』
なんなのよこいつ!
ーチュッー
え?
今なにが…?
『悪りい、可愛すぎたからついキスきちまったわ!』
こ、こいつ…!
まだしたことなかったのに!
私のファーストキスが!
よりによってこんなやつに…

