嬉しそうに中から眼鏡を出し、かけた旭。
黒くて小さくて丸い眼鏡だけど、旭に凄く似合う。
「良かったなドウ」
「はい!!」
「にしても、どこで見つけた?
俺様でさえも見つけられなかったのにな。
まさかこの馬鹿な低レベル教師に見つけられるとはな・・・」
アキの落ち込みっぷりはハンパない。
でもさぁ、
失礼じゃないか?
馬鹿な低レベル教師なんて。
「生徒会室の、落し物入れ段ボールだよ」
「生徒会室・・・?」
「うん。
最初は職員室横のガラスケースを見たんだけど、見つからなくて。
生徒会長のヒデくんなら、知っているかなぁって思って聞いてみたら、段ボールを渡してくれたの」
「殆ど当てずっぽうじゃねぇかよ」
「ん、まあね」
「でも、どうしてボクの眼鏡がこれだってわかったんですか?」
「ん・・・なんとなく。
シンプルそうだなぁって思って。
他のどれよりもシンプルな眼鏡ケースと眼鏡を選んだの」
「・・・ぅわ、すげぇ。
野生の勘ってやつだな、初めて見た」
野生の勘って・・・。
まぁ、よく言われるけど。
学生時代のテストの殆どは、勘だったし。
結構そういうのがあるらしいからね。