お目当ての人は、驚いたような顔をしながらも来てくれた。
私に近づくにつれ、嫌そうな顔になっていく。
「・・・何の用だ」
「今大丈夫?すぐ終わるんだけど」
「手短に済ませてもらおうか」
「あのねヒデくん」
「その呼び方はするな」
「眼鏡、知っている?」
「話を聞け。
・・・眼鏡だと?知らないが?」
「生徒会長なら知っていると思ったんだけど」
「落し物なのか?
それなら、職員室横のガラスケースの落し物入れを見てみろ」
「見たんだけど、なかったの。
もしかしたら、生徒会が管理しているのかなって」
「・・・来い」
ムスッとした顔をしながらも、ヒデくんは歩いて行く。
就いた場所は、3階の隅にある、生徒会室。
ヒデくんは引き戸を引くと、段ボールを私に渡してきた。
・・・ギャグじゃないから。
「この中に落し物が数個だが入っている。
メモとかはしていないから、勝手に持って行くと良い」
「ありがとうヒデくん!」
「だからその呼び方はやめろ」
「扉は鍵とかかけなくて良いの?ヒデくん」
「・・・。
あぁ、開けといて構わん」
ヒデくんが出て行くと、私は段ボールを開け、お目当てのモノを探し始めた。