「ワタシどうしても、その暗号が読めなくて。
ワタシは根っからの文系なので、根っからの理系の兄に相談したところ、こちらの探偵部に頼んで見てはどうか、と言われたので・・・」
根っからの文系か。
そしてお兄さんは根っからの理系。
・・・真ん中はいないのか?
まぁ良いか。
「拝見しても?」
「はい」
朱鳥さんの許可を取ったアキは、四つ折りの紙を丁寧に開いて行く。
アキの横から、旭と私も覗く。
紙は白く、模様がないとてもシンプルだった。
【朱鳥へ
3LT“S4
奏也】
3LT“S4?
確かに暗号文で、よくわからんな。
「この、奏也(そうや)という名前は、旦那さんですか?」
「はい・・・」
「わかりました。
依頼をお受けします」
「本当ですか!?」
嬉しそうに朱鳥さんは笑う。
確かに、気になるよね。