高等部はかなり大きい。
さすがお金持ちで進学校だわ。
ここに通う生徒は、大きく2つに分かれる。
1つめは、家が財閥とか名家とかのお金持ちのお嬢様ぼっちゃんたち。
成績とかはあんまり関係ない。
2つめは、成績優秀者。
家とかはあんまり関係ない。
いくら家が貧乏でも、成績さえ優秀だったら、入学が許される。
途中から入学もオッケーだからね。
私も高等部からの入学のいわゆる“外部組”だからね。
幼稚部からいる人を、この学校へ通う人は、“内部組”と呼ぶ。
ちなみに私は成績優秀者じゃない。
むしろ馬鹿でした。
私はパパの力で入ったの。
パパはどうやらお金持ちらしいからね。
なにしているのかわからないけど。
私は幼稚部から大学部まで共通で使える広場にいる高等部生徒を見かけ、声をかけた。
ちなみに制服があるのは幼稚部から高等部まで。
ここの高等部卒業生の私は、その制服がわかる。
「校長室、どこかしら?」
「校長室は、1階です」
髪を後ろでアップにした女の子は、にこりと笑う。
「そう。ありがとうね」
私も笑い、校長室へ向かった。