「相本堂くんは、何と言ったのかな?」
「それが可笑しなヒントをくれたんです。
眼鏡を探せ、ですよ」
「眼鏡を探せ・・・?」
校長は考えている素振りを見せた後、「ほぉ」と呟いた。
「なるほど・・・。
それで眼鏡を探せ、か」
「え?先生わかったんですか?」
「聞くと難しいと思うけどね。
結構な大ヒントだと思うぞよ?」
「大ヒント?
そうとは思えないんですけど?」
「とりあえず眼鏡を探してみなさい。
眼鏡を見つけたら思い切り引きなさい。
そうしたら、きっと部室を見つけられるだろう」
「眼鏡を、思い切り、引く・・・?」
ますます意味が分からん!
「さぁさぁこんな所でのんびりしている暇があったら探しなさい。
刑事は現場100回と言うじゃろ?」
「現場じゃないと思うんですけど」
「細かいことは気にするな。
わしは仕事で忙しいからのう」
「はぁ・・・」
「ところでこの学校にいられる時間、何時までか覚えているじゃろうか?」
「5時までですよね?」
「延長届けを出さない限りな。
だから毬子くんも5時になったら帰りなさい。
何かあったら栄助も心配するじゃろうからなぁ」
確かにパパは心配性だ。
病気だと疑うほど。
早く帰った方が良さそうだ。