日本人の顔立ちで、目付きが鋭いけど、かなりイケメン…。
腕の筋肉ヤバイし
腹筋とか胸筋とかすごそうだし、背中広いし!
前世と変わらず筋肉フェチで強面の男がタイプだった私は思わず見惚れてしまっていた。
頭のなかは凄いテンション上がりまくりで。
「またのおこしをお待ちしております」
奴隷商の言葉を聞き、ハッと我にかえる。
気づいたら黒髪の男に片手で抱き上げられていた。
首輪についている丸い出っ張りには金貨が入るほどの穴が空いている。
それには魔法がかかっていて少し出っ張りの中が広い。
この穴に黒金貨を10枚入れれば、首輪は外れる。
首輪が着いている間は主人の命令に逆らうと首輪が絞まる仕組みになっている。
ちなみにGPS機能つきだ。
「……ジン・キサラギだ。
お前の名は?」
「………ティウエナージ。」
そういい、亜空間から黒金貨10枚を取り出して即座に首輪に入れた。
ガチャンと音がしてそれが外れる。
如月と名乗った男はものすごい驚いた顔をした。
「如月君、下ろして。」
そういっても反応してくれない。
言葉わかってるんでしょー、早く下ろしてよ。
自分からは降りたくないし。
だって筋肉に抱かれてるのに自分から降りるなんてもったいないもの。
「如月君、下ろして。」
今度は日本語で行ってやった。
私は今すぐあの会場をぶっ壊すのだ。
人さらいをして奴隷にするなんて犯罪だしね。
「は、日本語?
………あー、悪いけど無理。」
困惑したような顔をして、でもすぐに納得したような顔をして、抱き締めている手に力を込めた。
こいつ、怪力だ
防御魔法を張ってなければ押し潰されてしんでるぞ。
「ねぇ、もう奴隷じゃないんだけどー」
「知ってる。だから誘拐した。」
さらりと流された。
ああ、やばい。
性格もタイプだ。
「それよりあんな大金持ってたのになんで奴隷になったんだ?」
とりあえず、抱かれたまま宿に連れ去られガッチリホールドされたまま質問された。
奴隷商は後回しにし、イケメン如月に事情を話した。

