散々街を歩き回り、適当に宿をとりすぐにベッドに横になった。


ダメだ。
動きすぎ。
もう眠すぎて死ぬー


そう思いながら私はパタリと意識を失った。


結界も張りわすれ、無防備なまま。







……………あれー?

よく寝たーと思って目を開けたら、何か鎖に繋がれて牢屋にいた。


「お。ちょうど目覚めてんな。
タイミングのいいやつだぜ。
おい、連れて行け!」


訳もわからずつれ出される。


あれ?もしかして誘拐?
首には奴隷の首輪がついていて、気がついたら舞台に立たされていた。


「さあさあ、本日の目玉!
可愛いのに強い!性奴隷でも戦闘員としても役に立つ!
100万リークからだぁああ!!」


「…………。」


まじか。


「150!」
「300!」
「400!」
「1000!」

札が上がりどんどん値段が上がっていく。


えええ。

どうしよう。
とりあえずこの会場ごと吹っ飛ばしちゃおうかな…

「1億。」

「1億!さぁ他にはいないか!?」

「1億5000!」

「3億。」

ふと、黒髪の男に目が止まった。
静かに値段を吊り上げていくこの男。

この世界に黒髪は存在しない。
…………日本人?

いや、まさかね


「決まったぁあああ!10億で落札!」


って、黒金貨10枚じゃないか!!


もう爆発して逃げよって思ったのに、魔法が使えない

そう言えば、この首輪魔法が使えなくなる上に体力を奪うんだった…。

どうしよう
必死に頭を回転させる。

たしか買われた値段を払えば奴隷ではなくなるはず。
そのあと国に告発すればいい。

うん、絶対ここ潰す。
黒金貨10枚なら払えるしね。


取り合えず落ち着いたので、冷静になる。

個室に連れてこられ、黒髪の男が入ってきた。

「お買い上げありがとうございます」

「ああ。」

ポイッと男は巾着を投げ渡す。

………なにこの人。
すっごくカッコいい…っ