「あ、あれ見たいー」
「ああ」
昨日の夜散々な目にあった私は、仁に抱っこされながら街を巡っていた。
魔法を得意とするエルフと鍛冶職人のドワーフ、力自慢の獣人がすむこの街は、安全で珍しいものがたくさんある。
ドワーフが作った質のいい武器をエルフが魔法武器に造りかえる。
魔法を付与された武器はさらに良いものになり、冒険者達は武器を求めてわざわざ訪れる。
他にも、質がよく珍しい魔法具を求め魔法使いも訪れ、人が集まるこの街は商人達も訪れ、とても賑やかな街になった。
それから観光名所も作られ、踊り子や劇団もここで活動を初め、とても楽しそうな街になっていっのだ。
私が見たいと言ったそれは、大きなテントの中にある。
つまりはサーカスだ。
「お一人様50リークになります!」
1リーク100円相当だからだいたい5000円
まぁまぁの値段。
銀貨1枚仁が払うと係の人はポンッと煙をたてながら、赤と青の尖り帽子をだした。
「入場券の代わりですので中ではこれを被ってくださいね!
それでは行ってらっしゃいっ!」
受け取った赤い帽子を被り、仁にも帽子を被せた。
「ふっ」
似合わない!!
イカツイ顔にファンシーな可愛い帽子。
嫌そうに舌打ちをした仁は、私を睨んだ。
でも全然怖くないよー
睨む視線より帽子が気になって、笑いを堪えた。
でも肩が震えるのは仕方ないよねぇ
椅子に座って待つこと10分
テントの真ん中が光り、私達の座ってた椅子が宙に浮く
見やすくなったステージをわくわくしながら見下ろした。
「ようこそ!ジュアサーカス団へ!
それではスリル満点の迫力あるショーをお楽しみください」
因みにこの街はジュアという名前だ。
由来は近くにある森にジュアの実が実のっているかららしい
ジュアの実は柑橘系のくだもので、美味しいのだ。
大きな玉に乗りながら短剣を投げるジャクリングをはじめ、魔物を放ち、踊るように討伐し、魔法使いが宙に浮きながら大きなトランプでマジックをして、最後の方は観客席がグルグルとテントの中を回り、剣の舞や綱渡りなどが行われた。
「アトラクションみたいだったねー」
「そうだな」
それなりにサーカスを楽しみ、私達は昼食を食べながらお店をまわる。
露店のアクセサリーを二人で眺めているとおじちゃんが声をかけてきた
「これは海を渡ったクート国産の宝石だ!
海の中の洞窟から取れた人魚の宝石とも言われる貴重な一品さ」
青いキラキラ輝く石の着いた指輪を差しそういう店主
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青石の指輪
そこら辺に落ちている青い石を店主が一生懸命磨いて作られた指輪。
______
「「………。」」
仁も指輪を鑑定したのか、あきれた顔で黙っていた。
特に良いものも無かったのでそこを離れ、気をとりなおし買い物を続けた。