「おいっ、姫が目を覚ましたぞ!」
「ご無事でしたか姫!今助けます!」
「その極悪人は我ら狼レンジャーにお任せを!」

「「「ロリコン変態魔王!覚悟しろ!!」」」


「はぁ…。」

「プッ」

耳のはえた獣人の男の子達はきっと狼族なのだろう。
赤茶の男の子が真ん中にたち、仁を見て指を指していた。


つまり私が姫で、仁がロリコン変態魔王の極悪人、と。

ロリコン変態魔王……

「…ふっ、くくくくっ」

肩を震わせ笑っていると、私を抱き抱えている仁は当然気づく訳で

「……ティナ。」

ひっくーい声で咎められた。

それが面白くてまた笑ってしまう

「あははははっ」

「今回の俺達は一味違うぜ!行くぞ!」

「「おう!」」


「「「変身!!」」」



格好よくポーズを決めると3人は狼に変身した。


「ガゥウウ!」

赤茶の子が合図を出すと仁におそいかかってくる茶色の子と、灰色の子

それをひょいひょいっと避ける仁。


にしても…

「ふっ、極悪人顔してるもんねー」


うん。

きっと、私が寝ているときも絡まれたんだろうなぁ
この3人に。

でも殺さないってことは遊んであげてるってこと?
意外と子供好きなのかも。


「はぁ…」

「ふふふっ、」


ガウガウ吠えながら襲ってくる3人を止めたのは獣人のお姉さんだった。


「こんの馬鹿共っ!!!!!!
観光客にあれだけ襲いかかるなとったでしょうがっ!!!」


その怒鳴り声は凄まじく、ビクリと3人は震え固まった。


「うちの子がすみませんでした!
ちゃんと躾直しますのでどうか許してください!」

固まった3人を放置し私達に頭を下げるお姉さん

私はロリコン変態魔王という言葉が頭から離れず笑い続けていた


「ふっ、ははははっ」

「あの…」

「くくくっ…ふー、げほっ、」

「馬鹿。」

仁は呆れつつも笑い過ぎて咳き込む私の背中を擦ってくれる。


「んんっ、はー…。面白かったー」

「あの…、怒っていらっしゃらないのですか?」

「うん、全然。
あの子達は正直なだけだしねー」

私見たいに似ても似つかない小さい女の子を抱えた男は人さらいとかくらいだし。
ロリコンって言われるのも仕方ないよー。うん。

「ふふふっ」

ホッとしたような顔になったお姉さんはすぐ厳しい顔になり、3人をバシッと叩いた


「1ヵ月おやつ抜き、おばあさんのお手伝い。」

人型に戻った3人にそう告げると3人は青ざめた

「それだけはっ!」
「俺らは姫を救うためにやったんだ!」
「ロリコン変態魔王を倒すんだ!」

「………お父さんの説教」


「「「っ!!鬼ーっ!!!」」」

叫ぶ3人を引きずり、私達に頭を下げてお姉さんは家に入っていった。

「くくくっ」

「…笑いすぎだ。」

「だって…っふふ」

「…………。」


「ロリコン変態…あははっ」

「…わかった。」

低い不機嫌な声を出した仁はそう呟く

あ、ヤバイ

「俺はロリコンで変態なんだろ?
ならお望み通り今夜は可愛がってやる」

ニィッと笑った仁。
しかし…


目が本気だ。


「…ごめんなさい。」

「ん?怒ってねぇけど?」

「やっ、やだっ!
可愛がらないで!」

「へぇ?虐めて欲しいのか。
わかった。いっぱい虐めてやろう」


「ちがーう!!!」



その日の夜、私が一睡も出来なかったのは言うまでもない。