おはよーと言った私に掠れた声で返事をしてくれた仁


ハスキーボイスも結構素敵
うんうん。やっぱり仁は寝起きの声と不機嫌な時の声と情事の時の甘い声が似合うねー


何やら考え事を始めた仁を観察する
考え事をするときの仁は、必ず私の頬を大きな手で包み込む。
そしてジッと私を見つめるのだ。


今回は何を考えているのだろうか。

普段考え事はあまりしないのに珍しいな、なんて思いながらふと気づく。

そう言えば昨日も冒険者のパーティーにあったとき考え事をしていたなぁ

女2、男3人のパーティー
女の1人が私にはまだない巨乳を仁に見せつけて誘っていたから、イラッてきて目の前でキスを見せつけてやったんだよねぇ
その後、女の人に「仁はロリコンなので貴女みたいなおばさんは興味ありませんよー」って言ったのを聞かれたのだろうか。

それで怒ってるとか?
でも怒ってる感じではないしなぁ

それとも私の胸がいつ大きくなるのかとか考えてるのかな?
………そんなこと考えた日には髪の毛燃やしてやるけど。

ああ、でもスキンヘッドも似合いそうだよね

突然、触れるようなキスを額にした仁は私を片手で抱き上げた


「行くか。」


「ん。」


考え事が終わったらしい仁はティサに乗り、次の街に向かう。
私は仁に寄りかかり寝る態勢を取った。

次の街は何か面白いことが起こりそう

なんてわくわくしながら眠りに落ちた。









「……ん…」


「おはよう、ティナ」

耳に感じる違和感で目が覚めた


「何してるの」


耳に感じた違和感は、何故か仁が私の耳に噛みついていたからだった。


「尖らねぇかなーって」

「は?」

尖る?
耳がってことよねー?

…いったいどうしたんだ、仁は。

起こされて少し気分が悪かったがそれも吹っ飛んだ。


「…………。」

「…………。」

「…………。」

「……尖らないよー?」

噛み続ける仁に教えておく。

「…知ってる。」


仁はたまに変な行動をするが、まぁ可愛いので許せる範囲

ベッドに寝かされているところを見ると、街に着いたのだろう。

「ねっ、面白そうなものあったー?」

気になっていたことを聞いてみる。


「あ?…あー、変なのはいたな。」

「じゃあ、見に行こー」

「…………。」

「行こー?」

「わかった」

重いため息を吐いた仁
行きたくないのだろうか。


ここは獣人、エルフ、ドワーフが多く住む街だ。
だからきっと面白いものが見れると思ったのだが、果たしてどうだろうか。