ジリリリリリ
カチャ
「あー、ねっむ」
「今日から授業始まるんでしょーー
はやくおきなー」
お母さんの高い声でパッと目が覚めた
「やっば、そうだった」
重い腰を起こして1階にいく
「おはよー」
「あ、お兄ちゃん
おはよー」
翠蓮寺 龍(スイレンジ リュウ)
髪の毛が少し明るい私のお兄ちゃんは今年で大学1年生
「また、走りに行ったの?」
朝が苦手な私とはまるで違って
お兄ちゃんはよく朝に
走りに行く
「まぁ、瀬奈に会いに行ったのが本当の理由」
瀬奈(セナ)さん
名字忘れたけどお兄ちゃんの彼女さん
スタイルが良くて中学の時には生徒会長も務めてた
憧れの人
将来は外国に関わる仕事をしたいらしい
だから理系のお兄ちゃんとは全く違う大学
大学になってからあんまり
会ってないみたいだったけど
今日は会ったみたい
「瀬奈さんも早いねー
なんでこんな時間なの?」
「今日からアメリカ行くんだって」
「ふーん。大変だねー
お兄ちゃんさみしいでしょ〜」
「別に」
でもやっぱり寂しそうな顔でお兄ちゃんは
家を出て行った
「あ、お父さん
もうすぐで帰って来るからね」
私のお父さんはなんかすごく忙しい人
だからあんまり話さないし
顔合わせても何話していいか分からなくて
いつも大事な話はしないで
世間話しちゃう
「そっか…」
お父さんの仕事は今でも全然わかんない
小さい時に聞いた覚えがあるんだけど
難しいこと言われただけ
結局なんなのかわかんない
でも海外への出張が多いから
貿易とかなのかな…?
とかなんとか、考えてるうちに
「あ!電車何時だっけ?
髪の毛やらなきゃ!」
ヘアアレンジが得意な私は髪に30分使う…
だから朝がこんなに時間ないのかな?
でもヘアアレンジはしたいから頑張る
「お弁当よし、上履きよし
いってきまーーす」
慌てて玄関を出た私は駆け足で駅まで向かう
「悠香ちゃん、かわいいねー」
「高校生か、大人になったねー」
とか近所のおばちゃんやおじさんに
言われるけど
今日は立ち止まって話す時間ないから
「ありがとう、行ってきます!」
だけを言って満面の笑みで返す
駅のホームに入ると、花園学園の
制服は目立っていてチラチラ見られる
けど、気にしないで登校した
学校に着いた私は、昨日友達になった羽菜ちゃんに話しかける
(おはよーじゃなくて…)
「ごきげんよう」
「ごきげんよう、悠香ちゃん」
ぎこちない挨拶をした私に羽菜ちゃんは
綺麗な姿勢で答えてくれた
何か話そうかと思ったが鐘が鳴ったので
席に座った
ガラッ
コツコツコツコツ
少し、ぽっちゃりした20代前半の先生が緊張した笑顔で入って来た
「んー、では
翠蓮寺さん挨拶をお願い」
「え?……あの…」
「挨拶は普通に
起立
気をつけ
礼
でいいのよ」
いきなり指名された私はよくわからず
とりあえず先生の言う通りの挨拶をした
でもやっぱり挨拶は ごきげんよう だった
一通りのHRが終わって次の授業まで時間があったので
隣の席の羽菜ちゃんに
「なんで私なのかな?」
と聞いた
「それは有名な子だからだよー」
と当たり前のように答えた
「ん?私、有名なの?
なんで?」
私が有名になる理由なんて一つもなかった
しいて言えば、中学の時に水泳部で取った県大会優勝くらい
でも県大会優勝だけじゃ有名にはならないよね
羽菜ちゃんはびっくりした顔で私を見た
「え?!知らないの?
噂だけど…
この学園の新入生代表の挨拶の子は
その年で1番頭も優秀で
お金持ちの子って決まってるらしいよ」
「そんなはずないよ〜」
そう言い切れる理由があった
私は、中学の時成績が優秀だったけど別に行きたい高校があった訳では無かった
だからお金がかからない公立ならどこでもいいと思っていた
絶対受かるよ と言われた公立に落ちて滑り止めで受けた超お嬢様学校に通うことになった私は、悪いことをしたと今でも思っている
高校へは行かないで働こうとも思った位、私の家はお金が無かった
だからそんなことは無いはずだ
「でもそうらしいよ、私も本当の所知らないけど…」
羽菜ちゃんは、少し不安気に言った
「なんか違う理由があるんでしょ」
そんな理由は全く思いつかなかった
カチャ
「あー、ねっむ」
「今日から授業始まるんでしょーー
はやくおきなー」
お母さんの高い声でパッと目が覚めた
「やっば、そうだった」
重い腰を起こして1階にいく
「おはよー」
「あ、お兄ちゃん
おはよー」
翠蓮寺 龍(スイレンジ リュウ)
髪の毛が少し明るい私のお兄ちゃんは今年で大学1年生
「また、走りに行ったの?」
朝が苦手な私とはまるで違って
お兄ちゃんはよく朝に
走りに行く
「まぁ、瀬奈に会いに行ったのが本当の理由」
瀬奈(セナ)さん
名字忘れたけどお兄ちゃんの彼女さん
スタイルが良くて中学の時には生徒会長も務めてた
憧れの人
将来は外国に関わる仕事をしたいらしい
だから理系のお兄ちゃんとは全く違う大学
大学になってからあんまり
会ってないみたいだったけど
今日は会ったみたい
「瀬奈さんも早いねー
なんでこんな時間なの?」
「今日からアメリカ行くんだって」
「ふーん。大変だねー
お兄ちゃんさみしいでしょ〜」
「別に」
でもやっぱり寂しそうな顔でお兄ちゃんは
家を出て行った
「あ、お父さん
もうすぐで帰って来るからね」
私のお父さんはなんかすごく忙しい人
だからあんまり話さないし
顔合わせても何話していいか分からなくて
いつも大事な話はしないで
世間話しちゃう
「そっか…」
お父さんの仕事は今でも全然わかんない
小さい時に聞いた覚えがあるんだけど
難しいこと言われただけ
結局なんなのかわかんない
でも海外への出張が多いから
貿易とかなのかな…?
とかなんとか、考えてるうちに
「あ!電車何時だっけ?
髪の毛やらなきゃ!」
ヘアアレンジが得意な私は髪に30分使う…
だから朝がこんなに時間ないのかな?
でもヘアアレンジはしたいから頑張る
「お弁当よし、上履きよし
いってきまーーす」
慌てて玄関を出た私は駆け足で駅まで向かう
「悠香ちゃん、かわいいねー」
「高校生か、大人になったねー」
とか近所のおばちゃんやおじさんに
言われるけど
今日は立ち止まって話す時間ないから
「ありがとう、行ってきます!」
だけを言って満面の笑みで返す
駅のホームに入ると、花園学園の
制服は目立っていてチラチラ見られる
けど、気にしないで登校した
学校に着いた私は、昨日友達になった羽菜ちゃんに話しかける
(おはよーじゃなくて…)
「ごきげんよう」
「ごきげんよう、悠香ちゃん」
ぎこちない挨拶をした私に羽菜ちゃんは
綺麗な姿勢で答えてくれた
何か話そうかと思ったが鐘が鳴ったので
席に座った
ガラッ
コツコツコツコツ
少し、ぽっちゃりした20代前半の先生が緊張した笑顔で入って来た
「んー、では
翠蓮寺さん挨拶をお願い」
「え?……あの…」
「挨拶は普通に
起立
気をつけ
礼
でいいのよ」
いきなり指名された私はよくわからず
とりあえず先生の言う通りの挨拶をした
でもやっぱり挨拶は ごきげんよう だった
一通りのHRが終わって次の授業まで時間があったので
隣の席の羽菜ちゃんに
「なんで私なのかな?」
と聞いた
「それは有名な子だからだよー」
と当たり前のように答えた
「ん?私、有名なの?
なんで?」
私が有名になる理由なんて一つもなかった
しいて言えば、中学の時に水泳部で取った県大会優勝くらい
でも県大会優勝だけじゃ有名にはならないよね
羽菜ちゃんはびっくりした顔で私を見た
「え?!知らないの?
噂だけど…
この学園の新入生代表の挨拶の子は
その年で1番頭も優秀で
お金持ちの子って決まってるらしいよ」
「そんなはずないよ〜」
そう言い切れる理由があった
私は、中学の時成績が優秀だったけど別に行きたい高校があった訳では無かった
だからお金がかからない公立ならどこでもいいと思っていた
絶対受かるよ と言われた公立に落ちて滑り止めで受けた超お嬢様学校に通うことになった私は、悪いことをしたと今でも思っている
高校へは行かないで働こうとも思った位、私の家はお金が無かった
だからそんなことは無いはずだ
「でもそうらしいよ、私も本当の所知らないけど…」
羽菜ちゃんは、少し不安気に言った
「なんか違う理由があるんでしょ」
そんな理由は全く思いつかなかった

