「うちも、お母さんのお姉さんが……それに」

 ぎゅっと唇を噛んだ彩佳は、自分の両手で身体を抱きしめるようにした。そして、何も言わずに目を閉じてしまう。
 
 私も、あゆみちゃんも、彩佳の口から次の言葉が出てくるのを待っていた。

 息苦しい。なんでこんなに息が苦しいんだろう。

 どのくらいあったのかわからない。ようやく彩佳が、一息に吐き出した。

「私も、同じ夢を見てる」

 彩佳の言葉に、私とあゆみちゃんは顔を見合わせてしまう。ひょっとして――この事件、何か関係がある?

「私も、なんだ」

 彩佳とあゆみちゃんの視線が突き刺さるようで痛い。

「私も、同じ夢を見てる」

 しん、と部屋の中が静まりかえった。

「三月三日?」

 そう言ったのは私。なんだか、そんな予感がしてならなかった。そして、その予感は裏付けられた。

 あゆみちゃんのお父さんの妹、そして、彩佳のお母さんのお姉さん、比奈子。三人に共通しているのは、ひな祭りの日に行方不明になっているということだけ。