「原さんが来るのって珍しいよね? 常連だってマスターや比奈子ちゃんが言ってたけど、私が店に入ってる時に来たことないでしょう」

 にこにこしながら、おしぼりを出してくれる彼女はにこにこしていて、やっぱり癒し系なんだなぁってつい見とれてしまう。

「比奈子と遊ぶ時はハピネスにはあまり来ないから……」
「比奈子ちゃん、見つかった?」

 坂本さんの言葉に、私は首を横に振った。

「他校の子達にも聞いてるんだけど、誰も知らないみたいで。坂本さんは何か……その、知らないかな?」

 その言葉で、坂本さんはなぜ私達がここに来たのかを理解したみたいだった。
 
 顎に指をあてて考え込む表情になる。

「バイト中に比奈子ちゃんとはいろいろ話したんだけど、ごめんなさい、こういう時にどこに行きそうかってことまでは……」
「……そう」