不器用彼氏・彼女

そう言って『美鈴』は俺の腕を引っ張っる!
(う……うわ~……は…初めて『女の子』と手を組んじゃった~! お……『女の子』っ
てやわらかいんだな~!)
「ん? どうかした?」
「い……いや……別に……」
「そう……。なら、行こ?」
「あ……あぁ……」
俺はしどろもどろに答える……。そして俺達は空いてる席で焼きそばを食べた! そし
てその後、『お化け屋敷』に向かった!

「へえ~! 『草凪』ってこんな場所が好きなんだ?」
「あっ……いや…好きって言うかなんていうか……。もしかして『野々村』って、こうい
う場所って苦手?」
「そんなわけないじゃん! だって所詮、人が脅してるだけじゃん!」
「そ……そう?」
「それじゃ、入ろう?」
「お……おう……」
そう言って俺達は『お化け屋敷』に入る!

「な、なあ……『野々村』……。ほ……本当に大丈夫か? も……もし良かったら……」
「だから……大丈夫だって言ってるじゃん!」
「そ……そっか……」
(予習通りにはいかないか…。)
「うらめしや~!」
と、当然『お化け役』が脅かしに来る……。
「ぎゃ~~!」
「落ち着きなって! ただのお化けの格好をした人じゃん!」
「の……『野々村』は……へ……平気なのか?」
「だから最初に平気って言ってるじゃん!」
「そ……そっか……ハハ……」
「何? もしかして『草凪』ってこういうの苦手なの?」
「そ……そんなわけないだろう?」
俺は怯えながら答える……。
「そう? それじゃ、行こっか?」
「お……おう……」
そして俺達は先に進んだ! 途中何度も驚いたが、その度に平然を装う! そして後少
しで出口の所まで差し掛かかる!
「み……見ろよ! も……もうすぐ出口だぜ!」
「そうだね……。けどさ、普通最後に脅かそうとするもんだよね?」
「えっ? そ……そうだよな……。あはは……」
(まだあんのかよ~?)
その時、俺達の足元から無数の手が俺達の足をつかむ!
「ぎゃ~~!」
「!? こっんの~! 人の足に触んな~!」
ボカ! そう言って『美鈴』は伸びてきた手を蹴る!
「た……たいしたことなかったね……?」
「そうだね……」
『美鈴』は不機嫌そうに答える……。
「『野々村』? 何か怒ってる?」
「当たり前でしょう! 最後に出てきた手、あたしの足を触ったんだよ!」
「そ……そりゃ、たしかに災難だったな!」
「でしょ? もう本当に信じらんない!」
『美鈴』は怒りながら答える……。
「……。そ……そうだ! あそこの『休憩場』に行こうぜ?」
「また?」
「そ……そういわずにさ、『アイス』買ってやるかよ!」
「う~ん? わかった!」
そう言って俺達は『休憩場』に向かった!

「はい! 『野々村』! 『アイス』買って来たぞ!」
「ありがとう!」
(ここまで予定通りにいかないとは……どうすっかな? 予習通りに回るかそれとも……
よし! 決めた!)
「な……なあ『野々村』……」
俺が言いかけた時、俺の後ろを『葵』と数人の男性が通った!
(『葵』? 今の『葵』だったよな? 何か怖そうな人、数人と一緒だったような? い
や、今は『野々村』と今の『デート』に専念しないと……。それに、『葵』は俺に対して
すっごく冷たかったしな~!)
そう言って俺は今までの『葵』との事を思い出していた……。

「あっ! そう、そう! 『亮』は何でボーっとしてたの?」
「駄目ですよ! その原因を探らないと……」
「ん? まあね……」
「……『亮』はそういう子が『好き』なんだ?」
「で、どうするの?」
「その、『河合』って人の事『好き』になったんだろう?」
「だったらやることは一つしかないだろう!」
「『告白』するんだよ!」
「当然だろ! 相談に乗ってるからこそ、ちゃんと『アドバイス』してるんだろう!」
「まあ、しょうがないか……」
「まあ~『亮』らしいちゃ『亮』らしいけどね……」
「下手に嘘をつくより、ちゃんと言えばいいんじゃない?」
「『その子』の事が『好き』でもなくて、『付き合いたくもない』のなら早く言った方が
いいんじゃない?」
「で? せっかくの休みの日なのに、なんで僕達が、『亮』に付き合わなければならない
わけ?」
「まあ、暇だったし……」
「ほどほどに……」

(……)
「あ……あのさ……『野々村』……」
「ん? 何?」
(よ……よし……今は『葵』の事より『デート』に専念するんだ……。『野々村』に次ど
こ行くか言わなきゃ……。そ……そうだ! 次は『観覧車』! 『恋人同士』の定番! 
『観覧車』に乗ろうと誘おう!)
「あ……あのさ……『野々村』……。俺……俺……」
(言えー! 言うんだー! 俺!)
「ごめん! 『野々村』! 俺すっ~げえ『大事な用事』を思い出したんだ!」
そう言って俺は『美鈴』に頭を下げて答える……。
(何言ってんだよー! 俺?)
「だからその……今日はもう帰らないといけなくなったんだ……」
「……」
(うわ~! 『野々村』の奴、怒ったよな?)
「そうなんだ……。じゃあ聞くけど、私とその『大事な用事』どっちが大切なの?」
「たぶん……どっちも……」
そう言って俺は、『葵』のいる所に走って行った!
(うわ~! 馬鹿だー! 俺! けど……『葵』の事ほっとけねえよ! あいつ皮肉を言
いながらでも俺に付き合ってくれた! そんな奴ほっとけるかよ! 『野々村』……怒っ
たかな? 怒ったよな……。けど……『野々村』なら多分わかってくれるよな……? 明
日、朝一に謝ろう……。それでも許してもらえなかったら……それまでだよな……)
そう思って俺は『葵』がいる方に走って行った!

「おい! テメー! ぶつかっといてなんだその態度はよー!」
「うるさいなー! ぶつかったぐらいで大げさなんだよ!」
『葵』は数人の男達と揉めている…。
「何だとー! テメー! やんのか! おい!」
「どうせ、そのつもりなんだろ? 御託はいいからかさっさと掛かってこいよ!」
「上等だ! テメー! 行くぞー!」
「はあ、はあ、い……いた……。おい! 『葵』! 何やってんだよー?」
「『亮』? 『亮』こそ、こんな所で何やってるの?」
「何だ? テメエーは? こいつの仲間か?」
「えっ? あ…あぁ……そ…そうだ……。あ……あの……『葵』が何やったかは、知らな
いですけど……」
「ああん?」
そう言って『不良達』は身構える!
「どうもすみませんでしたー! どうかこれで許してもらえないでしょうか?」
そう言って俺は『不良達』に土下座する!
「なっ……何やってるんですか? 『亮』! こんな連中に頭を下げて……。あなたには
『プライド』がないんですか?」
「『プライド』? なあ、『葵』! こいつらに頭を下げることがお前にとっては、絶対
に出来ない『プライド』なのか?」
「当たり前じゃないですか!」
「俺はなあ、『葵』! 俺の『プライド』は……俺の大切な人達を守れない事が、出来な
い事なんだ! だからこいつらに頭を下げても俺は何とも思わない! それでお前を守れ
るなら……」
「『亮』……」
「ふざけやがって……。行くぞー!」
「『おまわりさ~ん』! こっちです! こっちで喧嘩してる人達がいま~す!」
「くそー! お前ら引き上げるぞ!」
そう言って『不良達』は引き上げた!
「『亮』……。もう終わりましたよ……。ほら、頭を上げて……」
「……。『葵』……。どこも怪我はないか?」
「まったく……あなたって人は……」
そう言って『葵』は俺の腕をつかんで俺を立たせた……。
「おーい!」
そう言って向こうから誰かが俺達に近づいてきた!
「二人とも大丈夫だった?」
「『藤堂』? お前何でこんな場所に?」
「さっき、『おまわりさ~ん』って言ったの僕だったんだよ!」
「えっ? そうなのか?」
「二人がやばそうな連中に絡まれてるのを見たから急いで、叫んだんだよ!」
「じゃ、警察は?」
「そんなのいるわけないじゃん!」
「『藤堂』……」
「それより『草凪』君! 『デート』はどうしたの?」
「あっ~! 『デート』……途中で抜けてきたんだった!」
「えっ? そうなの? それなら早く戻らないと?」
「あ……あぁ……そうだな……」
「あ……あのさ……『亮』……」
俺が走ろうとした時、『葵』が俺を呼び止めた……。
「ん? 何?」
「……その……あ……ありがとう……」
「何言ってんだよ! 気にすんなって……」
そう言って俺は『葵』に笑って答えた!
「……」
「ほら早く行かないと……」
「あぁ…わかった……」
そう言って俺は『美鈴』のいる『休憩場』まで走って行った!

「はあ、はあ、はあ……『野々村』はいないか……」
俺が『休憩場』についた時、『美鈴』の姿はすでになかった……。
「そりゃ、そっか……」
俺は肩を落として言った……。
「ごめん! 『亮』! 僕のせいで……」
そう言って『葵』が俺に謝った……。
「だから謝んなって……。お前が無事なだけでも良かったよ……」
「『亮』……」
「それでどうするの?」
「ん~? そうだ~な? 明日謝るか……」
「許してもらえたらいいね?」
「そうだな……。でも駄目だったら駄目だった時さ……」

そして次の日……。俺は登校してくる『美鈴』を見つけた!
「『野々村』!」
「あっ、『草凪』……。ん? 何?」
「あ……あのさ……き……昨日はごめん!」
そう言って俺は『美鈴』に頭を下げて謝った……。
「何が?」
「な……何って……ほら……俺が昨日途中で帰っただろ……。それで……」
「何だ! そんな事か……」
「そ……そんな事って……」
「そんな事まだ気にしてたの? 『草凪』……昨日言ったでしょう……。『大事な用事』
があるって……」
「えっ? い……言ったけど……それが?」
「つまり、それってあたしの事、大事に思ってくれてるって事でしょう? だからさ……
もう気にしてないよ……」
「『野々村』……」
「そんな事より、ほら、早く『学校』に行かないと遅刻しちゃうよ?」
「そ……そうだな……」
「ほら、ほら、早く、早く……」
そう言って『美鈴』は俺の背中を押す…。
「わ……わかったって……お……押すなよ……」
そう言って俺達は『学校』に向かった!

 そして数日が過ぎたある六月の某日……。
「ZZZ……う~ん……。むにゃむにゃ……。ん? 今、何時だ?」
俺はそう言って深夜に起き、時計を見た……。
「一時か……」
ガチャ! その時、玄関のドアが開く音がした……。
「……」
「母さん……お帰り……」