不器用彼氏・彼女

「えっ~と、何にするかな? よし! これでいいだろう?」
そう言って俺は無難に『アンパン』と『イチゴ牛乳』を買った!

「買ってきたよ!」
そう言って俺は買ってきた『アンパン』と『イチゴ牛乳』を『美鈴』に手渡した……。
「う~ん、あたしこのパンあんまり好きじゃないんだよね……。ねえ、悪いんだけどさも
う一度行って、『サンドイッチ』と『コーヒー牛乳』を買ってきてくれない?」
「えっ?」
「何? 嫌なの?」
「えっ! あ、そうじゃないけど……あっ~もう、わかったよ! 行ってくるよ……」
そう言って俺はもう一度『購買部』に行った!

「えっ~と……『サンドイッチ』と『コーヒー牛乳』だったよな……? はあ~! 何や
ってんだろう? 俺?」
そう言って俺は『サンドイッチ』と『コーヒー牛乳』を買って『屋上』に行った!

「『野々村』! 買ってきたぞ!」
そう言って俺は買ってきた『サンドイッチ』と『コーヒー牛乳』を『美鈴』に渡した!
「ありがとう……」
「どういたしまして……」
「そうだ! 『草凪』も一緒に食べよう……」
そう言って『美鈴』は持っていた『アンパン』と『イチゴ牛乳』を俺に手渡した……。
(もしかして……『野々村』って俺と一緒に食べたかったのかな? そっか、『野々村』
って意外と素直なのかもな……。結構可愛い所あるよな!)
「ん? 何?」
「い……いや……別に……。それじゃ、一緒に食べようぜ!」
「うん……」
そう言って俺達は一緒に昼ご飯を食べた…。
「そう言えばさ、さっきお弁当持ってきてないって、言ったよね?」
「えっ? うん!」
「何? もしかして『ママ』の特製愛情弁当とか?」
「いや、弁当は自分で作ってる!」
「へえ~! 意外……何で?」
「何でって……基本的に俺、料理・掃除・洗濯、一通り家事全般は俺の仕事だから……」
「『お母さん』、やってくれないの?」
「いや、そうじゃないけど、『母さん』は夜働いていて、家の事もするとなると結構大変
だろうからって思ってさ……。だから、少しでも『母さん』に楽してもらおうと思って始
めたんだ……」
「両親共働きなの?」
「いや、そうじゃないけど……」
「お父さんは?」
「『親父』? 『親父』は……俺が小さい頃……亡くなったんだ……」
「ご……ごめん……」
「えっ? いいよ、気にしないで……」
そう言って『美鈴』はうつむく…。
「そういえば……『野々村』の両親は?」
「あたし? あたしの家は……『お父さん』は、飲食店を経営しているの……」
「ふう~ん! そうなんだ! 『お母さん』は?」
「『お母さん』は……」
「『お母さん』は?」
「『お母さん』は……去年死んじゃった……」
「ご……ごめん……」
「いいよ……別に……気にしないで……」
「……」
「……」
少しの間、俺達は沈黙した…。
「……ハハ……アハハ……」
「? ? ?」
「ごめん、ごめん……。あたし達何やってるんだろうね?」
『美鈴』は涙を拭いながら答える……。
「そういえばそうだな……」
「さて~と、もうそろそろ昼休み終わるから『教室』に戻ろっか?」
「あぁ……そうだな……」
そう言って俺達は『教室』に戻った……。

そして放課後……。俺は今週から掃除当番なので、掃除をしていた!
「はあ~! 今日から一週間掃除だなんて気が滅入るよね?」
「まあ、そういうなって……」
そう言って俺達は掃除を続けている!
「う~ん! やっと終わった!」
『棗』は背伸びしながら言った…。
「そうだな……」
「おい! まだ終わってないだろ? ごみ捨てがまだ残ってるだろうが……」
「あっ、そっか……どうする? じゃんけんでもして決める?」
「俺が行くよ!」
「えっ? いいの? それじゃ、お言葉に甘えて……」
そう言って皆は帰り支度をする!
「それじゃね!」
「あぁ、また明日!」
そして皆は帰って行った!
「さて~と、ごみを捨てに行くか…」
そう言って俺は、『焼却炉』に向かった!

「……っとあんた生意気なのよ……」
「別に……あんた達には関係ないでしょう……」
「何ですってー!」
(ん? 話し声が聞こえるな……。誰かが言い争ってるのか?)
そう言って俺は、こっそりと『焼却炉』の方を見る! なんとそこにいたのは、『美鈴』
と『数人の女生徒』だった……。
(ん? あれは……『野々村』じゃないのか……。こんな所で何やってるんだろう? っ
ていうか『数人の女生徒』に囲まれて、『野々村』の奴、もしかしてピンチなんじゃない
のか? どうすれば? って考えてても仕方ねえよな? よし!)
「よ……よう……。『野々村』……。こんな所で何やってるんだ?」
そう言って俺は『美鈴』と言い争っている『女生徒』の前に飛び出していた!
「『草凪』……?」
「……わかったわね……。今後あまり目立たないようにするのよ……」
そう言って『女性徒達』は去って行った!
「ふう~! び……びびった……」
「あんたこそ、こんなとこで何やってんの?」
「何って……『野々村』が絡まれてたから……助けなきゃと思って……」
「別に……頼んでない……」
「なあ……『野々村』……何か困った事があるなら俺が何でも相談に乗るからさ……」
「頼んでないって言ってんでしょう! 年上ぶんなー!」
『美鈴』は俺に怒鳴りつけた!
「ご……ごめん……」
「あたしの方こそ大声出して悪かったわね……」
「……」
「……」
しばらく俺達は黙っていた……。
「何で?」
「何でって……その……今度二人で…遊びに行かないかなあ~って思ってさ……」
「それって『デート』するって事?」
「えっ? いや……で……『デート』っていうか、『二人で遊びにいかないかな~?』っ
て思って……」
「それを『デート』っていうんでしょう?」
「そ……そっか……ハ…ハハ……はあ~……」
そう言って俺は大きなため息をつく!
「……」
『美鈴』は黙り込んでいる……。
「い……嫌なら……別に……い……いいけどさ……」
「今度の『日曜』って言ったっけ?」
「えっ? あ……あぁ……うん……」
「……いいよ……別に……」
「あ……あのさ……こ……今度の『日曜日』って空いてる?」
『美鈴』は少し考え込み答える……。
「ほ……本当か? ヤッター!」
そう言って俺はガッツポーズをした!
「はしゃぐな~!」
「じ……じゃあさ、待ち合わせ場所と時間は?」
「そうだね~?」
「じゃあさ、『大時計』のある場所に十時でどう?」
「いいよ……それで……」
「あっ! そうだ! それじゃさ、『野々村』はさ、どこに行きたい?」
「う~ん? そうね~? そういう事はさ……『草凪』が決めてよ?」
「俺が?」
「うん! そう!」
「よし! わかった! 任せとけ!」
そう言って俺はドンと胸を叩く!
「それじゃあさ、今日一緒に帰らない?」
「悪いけど今日は用事があるんだ!」
「そっか……それじゃ、またな!」
「うん! バイバイ! また明日……」
「あ……あぁ……また明日……」
そう言って俺達は別れた!
「今度の『日曜』か……。どうすっかな?」
そう言って俺は一人で自宅に帰った……。

 そして土曜日……。
「で? せっかくの休みの日なのに、なんで僕達が、『亮』に付き合わなければならない
わけ?」
「まあ、まあ! で? 『草凪』君? 今日は僕達に何の用なの?」
「まあ、そう言うなって……。で、二人にお願いしたい事って言うのは……実は俺……今
度『野々村』と……で……『デート』する約束したんだ……。だからさ、どんな所に行け
ばいいか二人に相談しようと思って……」
「えっ? じゃあ『あの子』と付き合う事にしたんだ?」
「へえ~、以外……」
「いや、そういうんじゃなくて、今はまだ本当の事言えねだろ? って、あーもうー。」
「はい、はい、わかった、わかった! で、僕達と先に『デートの下見』をして欲しいっ
て事なんだよね?」
「まあ、平たく言えば……」
「それじゃ、『草凪』君の『デート』を祝して出発ー!」
こうして俺は、『棗』と『葵』を連れて『デートの下見』に向かった!

 『映画館』前……。
「『デート』と言えば、やっぱり『映画』だよね!」
「そ……そうなのか?」
「それは、『藤堂』だけだろ?」
「おほん! いい? 何故『映画館』が『デートの定番』になっているかと言うと、それ
は……ずばり薄暗い密室の部屋の効果なのである!」
「どういう事だよ?」
「いい! 薄暗い部屋という事はだよ……。ずばり女の子が不安になるのです!」
「それで?」
「その結果……なんと手をつなぐシチュエーションが生まれるわけなのです!」
「おおー!」
「本当は『ホラー映画』がいいんだけど、最初の『デート』では『ホラー映画』は禁物だ
よ!」
「な……何でだよ?」
「わかってないな~! いい? 『ホラー映画』はいかにも彼女と抱きつこうとか、触れ
合おうとか思われているんだよ! それをいきなり最初の『デート』で行ったら何『この
人』って思われるんだよ!」
「なるほど……」
そう言って俺はメモを取って聞いていた……。
「……」
「それじゃあ、どうするんだよ?」
「そうだね……最初はやっぱり……恋愛物じゃない?」
「恋愛物?」
「そう! 恋愛物だったらいい雰囲気になったら、彼女と手をつないだりする『シチュエ
ーション』が生まれたりもするからね!」
「おおー! そうかー!」
俺はそう言ってメモを取り、『妄想』し始めた!

恋愛の映画を見ている……。
「……」
そして俺はそっと『美鈴』の手をつなぐ…。
「!?」
「大丈夫! 『野々村』には俺がついている!」
「『草凪』……」

「えっ~っと? あっ、いい『映画』あったよ!」
「どれ、どれ?」
「この映画がいいんじゃない?」
「えっ~と……『桜の木の下で……』って言う映画か……」
「まあ、今日は見ないけどね!」
「どんな映画なんだ?」
「それは……見てのお楽しみだよ……。それじゃ次の『デート』場所に行こう!」
「えっ~と、何、何? 幼馴染の二人が幼少期に桜の木の下で、一つの約束をする……。
そして、何の進展もないまま、二人は大人になる……。久しぶりに再会した二人が再び桜
の木の下で再会を果たす……。しかし二人は別々の道を歩み出す……。果たして二人は自
分達の道を歩みだすのか? それとも幼少期の約束を守るのか? だって……」
「い……言っちゃ~駄目だよ~!」