「お大事に」

「ありがとうございました」

 北上の途中の様子を不思議に思いながらも、北上と看護師に頭を下げて優希は診察室を後にした。
 その後、診察料を払って薬を受け取り、優希は午前中に自宅へと戻っていた。
 咳止めは昼食後から飲むと三日後の朝の分まで処方されており、昼食後に飲むには食事をとらなければならない。
 優希は気怠い体を動かし、キッチンへと向かった。





 病院へ行った日は活動の見学日だったので、優希は夕方紅夜に連絡をとって休みを願い出た。
 紅夜は直ぐに了承し、ゆっくり休むようにと、翌々日の見学日も調子が悪ければ絶対無理をしないようにと優希に告げ、彼女は父親が二人みたいと内心思った。
 翌々日の朝にはすっかりよくなり、幸い高熱が出ることもなく活動に参加出来ると優希は一安心した。
 娘を心配しながら残業の連絡があった父に書き置きを残し、校門前に午後八時十分前に到着して紅夜達を待つ。
 一陣の風の後に現れた紅夜達の姿も見慣れたもので、驚くことなく近づいて行った。

「一昨日はすみませんでした」

「いや。よくなったみたいで安心したよ」

 優希の顔色を見ながら紅夜は目を細める。
 紅夜の肩を薫がつかんで笑い声を上げた。

「みんな心配してたが、紅夜が一番心配してたぞ!」

「余計なことを言うな……っ」

 肩に置かれた手を払いながら、相手を鋭く睨むが、睨まれた方は変わらず笑っている。

「でも途中で具合悪くなったりしたら言ってね?」

「はい。ありがとうございます」

 優希は笑顔でみんなを見た。