順の心を凍りつかせてしまったのは、自分自身だ。 どんなにあがいても無駄だった。時が流れるままに身を任せるしかないことが、世の中にあると分かったのは、19歳になったばかりの春。 「……順は、元気だった?」 美緒は静かに目を瞑り、みどりの言葉を待った。