私は陽希が座っていた場所に座る。 「よく実家に戻って来たね」 「……ん」 侑聖の顔が出てくる。 喧嘩をした。 仲直りもした。 思い出は数えきれないくらいある。 「別れる決心も。よくしたと思う」 ………知ってたんだ。 侑聖と別れていることに。 泣きそうになるのを、我慢する。 「先輩と偶然あって、聞いた。はるは知らないよ」