訓練が終わった後。
言われた通りハンスについていくと、とある教会に着いた。

「ここは?」
「俺が前に来た教会・・・。入るぞ。」

中に入ると、巨大な女神像が立っていた。

「剣を出せ。」
「え?お、おう」

そう言って剣を出し、ハンスに渡すと、何故か女神像の足元に突き刺した。

「なにしてんだ?」
「多分、お前も神持ちだ。」
「神・・・持ち?」
「ああ、体内の刻石に強いアブノの力を秘めていて、それを具現化出来る者・・・それが神持ちだ。お前の技魔術、サンドライブは恐らく太陽神ラーの力。お前の親は、それが分かっていて名前をつけたんだろうな。」
「は、はぁ・・・」

八割理解してない。

「今から具現化する。少し離れてろ。」

そう言ってハンス何か呪文のようなものを唱え始めた。すると・・・

「あ゛・・・ぎぁ・・・っ!」

突然胸が苦しくなった。

「耐えろ!もう少しだから!」







・・・何分経っただろうか。
知らぬ間に汗だくになってしゃがみこんでいた俺は、ハンスに起こされた。

「大丈夫か?」
「・・・じゃない・・・」
「だろうな。とりあえず具現化には成功したよ。左手首、見てみな。」

ふと見ると、手首に太陽のようなマークが刻まれている。触れてみると少し熱を持っているようだ。

「これが太陽神ラーの・・・?」
「ああ、ラーの刻印。エジプト神話で太陽神を表すマーク・・・。ちなみに俺はアヌビスな。」

そう言って手首を出そうとした、その時。

ガチャリ。

教会の扉が開かれた。

二人は、武器に手をかけながら振り向いた。