誰もが、リベッティオの勝利を確信しただろう。
リベッティオ自身も、そう思っていた。あんなスキルで、あの程度のスキルで、この槍は止められない。そう思っていた。




炎のドームの中から銀色の炎が飛び出し、槍の矛先を切り落とすまでは。光の速さで進む槍の矛先を、真っ二つにするまでは。

「神焔剣《レーヴァテイン》ッ!!!」

炎の中から聞こえた叫び声。その叫び声と共に、リベッティオの体の炎が包み、反対側の壁まで吹き飛ばした。
彼を吹き飛ばしたのはラーの剣。だが、それはソードブレイカーではなかった。
真っ赤な柄の、大きな曲剣。その剣は威厳を放つ、美しい剣であった。

「第一種禁忌神器、レーヴァテイン。俺の・・・」

リベッティオの元へと歩いて近づくラー。彼は曲剣を首へ突き付け、

「俺の、父さんの剣だ。」

そう言って降り下ろす曲剣。しかしそれは彼には当たらず、地面へと突き刺さった。

「・・・?」
「当たっかよクソが・・・!!」

ギリギリで回避したリベッティオの手には、矛先が半分以上無くなったブリューグントが握られている。

「てめぇ許さねえぞ・・・!」

先ほどよりも後ろに槍を引く。すると槍はまた光を纏った。

「てめぇが神器を持ってんのは意外だったけどよ・・・!」

槍から纏っていた光が消える。するとそこにはブリューグントよりも大きく、レーヴァテインと同じような威厳をもつ槍が握られていた。
彼はそれを肩の上へ構えると、ラーに向かって叫ぶ。

「報復槍《フラガラッハ》!!!」

その叫びと共に槍を投げる。それは真っ直ぐとラーに向かっていった。

だが、ラーは既に反応していた。レーヴァテインを頭上に構え、力を込める。

「Flammenschwert kontra Gott・・・」

ラーは謎の呪文のようなものを唱え、そして叫ぶ。

「雷皇死剣《ミストルティン》!!!!」