「チッ・・・んだよ妖狐って。ただの狐となんら変わらねぇ・・・。期待して損だったな。」

横凪ぎに槍を振るうリベッティオ。切り裂かれた喉元はスペルによってすぐさま塞がったが、勝敗は決まってしまった。

〔勝者 リベッティオ〕

ディスプレイに表示される勝利を告げる文字。騒ぐ観客は彼の存在を強調し、ラーの戦場までその勝利を伝えた。

「穂香が・・・負けた・・・!?」
「バカッ!!!よそ見してんじゃねえッ!!!」

叫ぶハンス。しかしその声は一足遅く、相手の拳がラーの顔面に突き刺さった。

「んぶぐっ!?」
「余裕ぶっこくなよこのやろう!」

勢い付く相手。吹き飛び壁に叩きつけられるラー。その土煙を見た観客は、ラーの負けを感じていた。

「あいつもここで終わったな」
「あの威力だろ?再起不能になるぜ」
「期待出来ると思ったんだがなぁ」

そんな中、とある三人は周りとは違う意見を持っていた。

「敵もやらかしたなぁトーマ」
「だな(笑)まぁ攻撃したくなるのも分かるがw」
「お兄ちゃんは絶対負けないよ」

その言葉通り、土煙の中からラーが髪をかきあげながら出てきた。

「はぁ・・・。なんだ?穂香がやられたから俺はリベッティオって奴をライバルにすればいいのか?どうすりゃいいんだ?まぁ・・・」

その瞬間周りが見た光景は、相手の心臓部に突き刺さったソードブレイカーとそれを握るラーの姿だった。

「お前は俺の敵だ」

その言葉を言い終わると同時に、敵は地面へ倒れた。ディスプレイに勝者が表示され、次の戦いの組み合わせが決まった。

《ラー・イグニアvsリベッティオ=シーザー》

いよいよ、最終決戦の始まり。