あと何センチ?




「ぷはぁ!うんめぇ〜!」


先ほどのクールな一面とは打って変わり、とろけそうな笑顔で笑うカイ。


……そう。


初対面の男を、

隣に越してきた男を、

あたしは家に招き入れた。


作ったのは体が温まりそうな、あったかいうどん。


残り物で作ったから味は保証できないけど、いつもあたしも作ってるからそんなにマズくはないと思うけど。


おつゆまで一気に飲み干すと、カイは床にゴロンと躊躇なく横になった。


「あっ、ねぇ。ちょっと……」


このまま寝られたらマズイでしょ。


さすがのあたしでもなにが起きるかわからないから、今すぐにでもでてってほしいのに。


「あ、さっきの紙袋開けた?」


カイは無造作に置かれた“さっきの紙袋“を指差した。