「あれ、彼氏?」 すっかり元の位置に戻ったあたしは、柵越しにそいつとのやりとりを交わしていた。 「違います」 「……ふーん」 さっきからその態度なに? あたし、今日誕生日なのに何これ。なにこの感じ。 まったく、楽しくない! 自分から話しかけたのに、もう部屋に入りたい。 「俺、隣に引っ越してきたカイです。よろしくお願いします」 顔は見えないけど丁寧な挨拶に、あたしは再び身を乗り出した。 「……あたしはミキ。よろしく」 「おう」 何だ、コレ?