そのままユウキはあたしの頭をなでると、静かに出て行った。


静寂が辺りを包む。

あたしはというと、一人部屋に残りアホみたいな顔で口をポカンと開けていた。


ユウキの匂いがまだ残っている。

少しだけ真っ直ぐなあいつに、あたしは少しだけ目を奪われたのかな。

さっき飲んでいたワインが、急激に頭の中を走り出す。


「いてて……」


外の空気を吸いにベランダに行こう。

ドアを開けると、あたしはすぐに家の前の道を見る。





……あ、ユウキだ。