約束の時間まであと1分。全力疾走をし、美沙の家のチャイムを鳴らした。


ピンポーン


チャイムを鳴らした瞬間に玄関のドアが開き、美沙が出て来た。


「准、私を待たせるなんて10年早いよ!」


「えっ・・・」


息を切らしながら、時計を見た。


09:59:50


「いや、セーフ!約束の10秒前!」


「えーっ、うちの家の時計はもう10時過ぎてるし!まぁ、今回は許してあげる」


俺は、優しく微笑んだ美沙に釘づけになっていた。


この優しさは、偽装恋人の演技なんか?


めっちゃかわいいんですけど!


いつもとは違う雰囲気の美沙に見とれていると、いつものように一喝された。




「准!ぼーっとしてないで、行くで!」


「はぁい」・・・女王様。


二人の波乱の初デートが始まった。